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吹付けコンクリートの遠隔操作技術を共同開発

株式会社熊谷組(代表取締役社長 樋口 靖 本社:東京都新宿区)は、西尾レントオール株式会社(代表取締役社長 西尾 公志 本社:大阪府大阪市)と共同で山岳トンネルエ事の環境改善を目指し、熊谷組の強みでもある「無人化施工技術」を導入して、作業員が切羽から離れたクリーンな環境下で吹付けコンクリートを施工できる「吹付けコンクリートの遠隔操作技術」を開発しました。
鉄道・運輸機構九州新幹線建設局発注の九州新幹線(西九州)、第1岩松トンネル外3箇所他工事において試験施工を行い、「吹付け作業における作業員の曝露粉塵及び切羽災害ゼロ」を目指した施工の実現性を確認しました。

 

1. 背  景
山岳トンネルにおける吹付けコンクリートは、NATMが標準工法として確立された現在においても作業員の健康を害することが懸念される作業のひとつです。加えてトンネル災害の多くは切羽作業に集中しており、その中でも支保作業(吹付けコンクリートや鋼製支保工建込み作業等)は、作業員が長時間切羽に接近して行う作業であることから、切羽災害の危険性が高くなります。
そこで、熊谷組ではトンネル切羽作業に従事する作業員の坑内労働環境の改善と安全性の向上を目的として、吹付け作業の遠隔操作技術を開発しました。
遠隔操作技術の開発に当って、長崎県雲仙普賢岳の赤松谷川11号床固め工(弊社施工)の災害復旧工事で確立された重機を遠隔操作する「無人化施工技術」の要素技術を山岳トンネルエ事に取り入れ、作業員が切羽から離れた位置(操作室)から吹付け状況をモニタカメラで確認しながら遠隔操作によって吹付けコンクリートを施工します。

 

2. 概  要
従来の吹付けコンクリートは、作業員が保護具(保護メガネや防塵マスク)を着用して切羽直近で作業を行います(写真.1)。
「吹付けコンクリートの遠隔操作技術」は、エレクター一体型吹付け機のエレクターブームとキャビン上方の3箇所にモニタカメラを取付け、切羽から離れた操作室まで有線接続(LANケーブル)して、操作室で作業員がモニタカメラの映像を確認しながら吹付けコンクリートを施工します(写真.2及び図.1)。
エレクターブームに搭載した2台のモニタカメラが、従来の吹付けで作業員の立ち位置からの視野を確保し、キャビン上方に搭載した1台のモニタカメラで吹付け箇所全体を俯敵しながら吹付け状況を確認します(写真.3)。また、カメラには防塵対策を施し、吹付け中のカメラレンズへの粉塵の付着を抑制します。

 

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3. 効  果

吹付けコンクリートを操作室から遠隔操作することにより、吹付け中の作業員の曝露粉塵をゼロにでき、「ずい道等建設工事における粉塵対策に関するガイドライン」で示されている粉塵濃度目標レベル以下(3mg/m^3)の坑内労働環境を抜本的に改善して、快適な労働環境での作業を提供できます。

さらに、地山のゆるみによって岩塊の肌落ちや崩落の危険因子を含んだ掘削直後の切羽から離れた安全な場所で作業するため、山岳トンネルエ事で特徴的な災害である落盤・土砂崩壊災害リスクを回避することができます。

 

4. 今後の展開

今後は無線化に向けた基礎・実機試験やコンクリート供給設備(ポンプ、急結材供給装置等)の遠隔操作の開発を行い、より効率的な吹付けコンクリートの遠隔操作技術を確立させ、来年度以降の実用化を目指した技術開発を行う予定です。さらに、この技術開発と並行してトンネル施工技術の自動化や省力化を目的とした次世代トンネル施工技術の開発を進め、山岳トンネルエ事全体を通じた労働環境の抜本的な改善と生産性向上を目指したいと考えています。

 

≪問い合わせ先≫

◆株式会社 熊谷組

 土木事業本部 トンネル技術部   TEL:03--3235-8649

  土木事業本部 機材部         TEL:03--3235-8627

 

◆西尾レントオール株式会社

通信測機営業部 建設ICT営業課  TEL:03-3769-8240

 

 

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