■膜厚計のミニ知識
・磁性とは磁石が付く性質があるという意味です。鉄は磁性金属、アルミは非磁性金属です。
・ステンレス (SUS) は種類や加工方法により磁性体と非磁性体があります。
・一般的にSUS300系は非磁性、SUS400系は磁性ですが、加工方法によりSUS300系でも磁性体に変化している場合がありますので注意が必要です。
・メッキとは金属の表面に金属薄膜を被覆する表面処理方法のことで、方法により電解メッキ (電気メッキ) と無電解メッキ (化学メッキ) に分かれます。
■LZ300/370とLZ900の代表的な違い
LZ300 / 370 | LZ900 | |
測定器の持ち手は | 両手 | 片手 |
鉄素地の塗膜、フイルム厚さ測定 | ○ | ○ |
アルミ、銅素地などの塗膜、フイルム厚さ測定 | ○ | ○ |
鉄素地の金属箔厚さ測定 | ○ | × |
鉄素地の無電解メッキ厚さ測定 | ○ | × |
■クイックマニュアル(写真をクリックすると拡大されます)
1.付属品のチェック
①標準板6種類
②金属板ケース
③本体
④黒のプローブ(測定対象が鉄の場合に使用。電磁誘導式。)
⑤グレーのプローブ(測定対象が非鉄の場合に使用。過電流式。)
⑥アルミ板
⑦鉄板
2.測定方法
①本体にプローブを接続します。(例では付属の鉄板で解説しています。)測定対象の素材に合わせてプローブを選択してください。※測定対象が「鉄の場合は黒」「非鉄の場合はグレー」
②出荷時に付属品の素地で調整をしています。そのままでも測定可能ですが、より精度よく測定を行いたい場合は、測定前に測定対象の素地を用いて調整を行います。3.素材補正参照
③測定対象の塗膜を測定します。(例では解説用に付属の鉄板に塗装を施しています。)
3.素材補正(標準板調整)
測定対象の素地で素材補正を行うことで、より精度よく測定出来ます。
下記の素材補正(標準板調整)を参照
①写真のように金属板を標準板ケースにセットし、本体とプローブを繋げます。
②【左矢印 (スクロールキー)】 → 調整→ 【ENT(エンターキー)】を選択します。
③測定対象に近い厚みの標準板を4枚選択する。
※素地(0μm)と標準板4枚で調整を行います。下記の表を参考に調整を行って下さい。
④画面に【標準板0】が表示されているか確認します。この状態で金属板のみの状態で5~6回測定します。
⑤測定値を0に合わせます。【ENT(エンターキー)】→【0】→【ENT】を選択します。
⑥ ③で選択した標準板を乗せて5~6回測定する。
測定後【ENT】→【標準板の厚み】→【ENT】を選択する。
※【標準板の厚み】は赤丸部分に表記しております。(例は49.7μm)
⑦精度を高めるために③の表で選択した残りの3枚の標準板を使って、同様に⑥の流れで補正を行ってください。(調整後、電源を切っても校正した設定は記憶されています)
⑧4点(素地と標準板3枚)以下で調整する場合は、必要な枚数だけ標準板による調整を行い⑥の流れの後、もう一度【ENT】を選択してください。